2025/02/12 13:21

手袋をはめて、絵の具をのせたキャンバスを撫でるように動かす

力と指の加減で微妙なしわが寄り何とも〈良い感じ〉
内側から溢れ出す生命力
冬から蘇る春のような力強い作品が描きたいと、たどり着いたのが〈自分の手〉でした

小さな時は出来たのにいつしかできなくなった自由な制作
使えるモノなら何でも使っていいのに、躊躇してしまう

思いつくままを、そのまま描ければいいのだけれど「勇気」がその一歩を動くまで長く時間が掛かってしまった
10年間の緻密な制作から、手やペインティングナイフで感覚で描く制作へと
余りにも正反対な制作に暫くどう描いて良いのか戸惑いました

しかし、溢れ出す生命力の〈色〉をイメージして
その〈温度〉を想像して
湯気のような、蜃気楼のような
心が湧き上がる衝動と温かさを、画面に表す事だけを考える

浮かんできた色と形を描くためには、どんなに考えても絵筆では追いつかない
思いつくまま手を動かす、生まれた頃から使っている自分の手が一番描きやすかった

自分の感覚を大事にしたこの作品は、自分の新しい制作スタイルになりました
思えば、ペン画と共に集中しイメージを目指して制作するのは変わらないような気もしますね
なので、臆せずこの感覚的な制作を大事にしたいと思います

飾る向きは決まっていません
制作時にも丸キャンバスをグルグル回しながら制作したので
その日の気分で、気に入った向きで飾っていただけると嬉しいです